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映画やドラマやアニメとかを観て思ったことヽ( ´ー`)ノ

グレイテスト・ショーマン/ マイケル・グレイシー監督

仕立職人の息子として生まれ貧しい子供時代を過ごしたバーナム、失職をきっかけに古い博物館を買い取り客を集めようとするもうまく行かない、そこでユニークな資質を持った者達を集めてサーカスを作ろうとするのだが…という感じで始まる物語。以前は見世物小屋的なサーカスがあって、それを大衆が娯楽として楽しんでいたという事実があるのは分かる。で、そういう時代のそういう状況の話なのだけど、随分と綺麗でスッキリした毒気の少ない物語だった。バーナムは人望もあるし浮気もしないし不遇な過去を払拭する為に名声を得たいと動く。でも本当だろうか?と思ってしまう。彼の立場なら彼自身も周囲ももっと悲惨なエピソードがあるはずなのだが、そういうものは殆ど描かれていない。一人のショーマンの物語で終わっていたのは良かったのかどうなのか。ただ本作はミュージカル作品だけあって、キャラ達が揃って歌う中盤の"This Is Me"やラストシーンなんかは大変見応えがあった。あの個性的なサーカス団員達のエピソードを少しでも見ることができたらもっと面白かっただろうと思う。

The Art and Making of The Greatest ShowmanThe Greatest Showman
Signe Bergstrom
Michael Gracey

Weldon Owen
017-12-12

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アバウト・レイ 16歳の決断/ギャビー・デラル監督

トランスジェンダーの17歳のレイは男性化に向けてホルモン治療を受けようとしていた、レイの母マギーと祖母ドリーは夫々の立場から一定の理解を示すのだが処置を受けるには父親の承諾サインも必要だと言われる、マギーは元恋人クレイグに会いに行かなければならないのだが…という感じで始まる物語。原題の三世代が適切かどうか分からないが、邦題も内容とニュアンスがやや違う。レイは既に決断していて(というかそれしか道はないのだから決断も何もない)母マギーがどう動くかどう決断するかの話だから…。それにしても性的少数者への理解が日本より格段に進んでいるアメリカでは(というか本作では)、決断の種類の中に否定が入らないのがいい。否定したって何も生まれないものね。とはいえ、物語的にはマギーが悩んで行動して行き詰まってそれがレイに影響を及ぼしたり…と劇的な変化があるわけではなくゆるゆると進む。なので鑑賞中は先が見えないもどかしさがあった。原題が三世代だというなら、年齢や立場の違いによる解釈や態度の違いを見せても良かったのかも。

映画チラシ アバウト・レイ 16歳の決断 ナオミ・ワッツアバウト・レイ 16歳の決断
ナオミ・ワッツ


ファントム・フィルム

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スリー・ビルボード/マーティン・マクドナー監督

アメリカ中西部ミズーリ州、十代の娘アンジェラを何者かにレイプされ焼き殺された母ミルドレッド、彼女は警察の捜査が一向に進展しないことに疑問を感じ打開策として看板広告を出すことにする、広告を掲げたことで警察や町民たちは動き出すがそれはミルドレッドの思惑と違った方向へ…という感じで始まる物語。誰もが持つであろう人の多面性を見事に描いた作品。強い人間は強いばかりでなく弱い人間は弱いばかりでない。当たり前のことだけど、人を見るときはつい一面だけを見てしまいがち。そういう人間の揺れを物語化・映像化するのは難しいだろうけれど、それを淡々と難なく映し出しているのが本作の凄いところ。役者についても、ミルドレッドのフランシス・マクドーマンドの力強い存在感、ディクソン巡査のサム・ロックウェルの危うさ…等々、流石と思える部分が随所にあって見応えがあった。アカデミー賞でどの賞を穫るかは分からないけれど、どの賞を穫ったとしても納得できる作品。

スリー・ビルボードスリー・ビルボード
カーター・バーウェル

Rambling RECORDS
2018-01-23


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ベイビー・ドライバー/ エドガー・ライト監督

飛び抜けた車の運転技術を持ち大音量の音楽を聴きながらも犯罪現場から犯人を逃すことができる青年ベイビー、彼は裏社会の大物ドクの車を盗んだことによって借金を負いドクの指示で働いていた、あと少しで借金完済となる頃、気になる女性デボラとの仲も進展し…という感じで始まる物語。最初から最後まで音楽がほぼ鳴り続ける作りで、歌わないミュージカルのような作品。そんなに物語に起伏があるわけではないが、飽きずに観られたのは音楽の力なのかも。なので劇中音楽を知っていたらもっと楽しめたかも知れない。カーアクションも人物の細かな動きも丁寧に作り込まれていて何度も観たら更に好きになるタイプの作品なのか。口数も表情も少ないが感情が分かるベイビー、可愛らしくも大胆なデボラ、個性的な強盗達…とキャラとしても魅力的な面々であった。

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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2018-01-2
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スター・トレック BEYOND/ジャスティン・リン監督

3年の航行を経たエンタープライズ号は補給基地ヨークタウンへ寄港していた、そこへカラーラという異星人から墜落したという仲間の救助を要請される、救援に向かったエンタープライズ号だったが途中で多量の小型戦闘機の襲撃を受け船員は各々脱出を図るのだが…という感じの物語。エンタープライズ号メンバーの絆の強さなんかは話を追うごとに強くなっているのは分かった。…が、宇宙空間を航行して様々な星人が乗船するEP号だけに、人物名や小物名や星名が出てくると一気に混乱してしまう。観終わっても、結局カラーラの目的は何か、ジェイラとマナスの対決はどうなったのか…など分からない部分が多々ある。真面目に観ていなかったわけでもないので説明不足な描き方なのだろう。初登場のジェイラ(ソフィア・ブテラ)はヒロインなのに結構雑に扱われていた印象。コツコツ直したオンボロ機をEPメンバーに乗っ取られるし、復讐エピソードも中途半端で終わってしまうし。ただ特殊顔面で粗野風なのによくよく見ると溢れ出てくる可愛らしさと哀しさを感じられたのは、ソフィア・ブテラの好演があってこそなのだろう。ジェイラかわいい。

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2017-09-21

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CHAPPIE チャッピー/ニール・ブロムカンプ監督

2016年、南アフリカ政府は蔓延する犯罪を撲滅する為に警備用人型ロボットを採用して一定の成果を得ていた、ロボット開発者のディオンは更に完全な人工知能の開発に成功するも上司に開発を止められてしまう、ディオンは廃棄寸前のロボットを利用しようと思い立つもギャング団に誘拐されてしまい…という感じで始まる物語。ロボットと人間の境を描く作品はどうしても成長過程が似通ってしまいがちだけど、さすがに最後は捻りというか独自性があって面白かった。確か"第9地区"を観たときも思ったが、ブロムカンプ監督作品は人間側の視点で考えないのが面白い。寧ろ人間側の思考に捕われることの無意味さとか愚かさなどを浮き彫りにして皮肉がきいている。多様性云々と説くなら現状の思考範囲ではダメなのかも知れない。とはいえ、チャッピーが言葉を覚える件とか諸々の成長過程はもっと簡略化してもいいのかも。そのもどかしさも完全な人工知能ゆえだと言われれば、そうなのかなーと思うしかないけれど。

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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2015-09-18
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インターセクション/デヴィッド・マルコーニ監督

新婚旅行でモロッコに訪れたテイラーとスコットの夫婦、二人は砂漠にある遺跡観光へ向かうドライブ中にテイラーの愛人が運転する車に追跡され激突事故を起こしてしまう、破綻した夫婦、妻の愛人、手錠をかけられた男、乳児、乳児を抱く女、バイクで何かを追う男…、移動手段が失われた中で彼らは脱出を試みるも…という感じの物語。これだけ曰くありげな人間が集えば何かありそうではあるんだけれど、結局、闘わない生き残りゲーム…みたいな様相になっていた。その割には夫々の情報が小出しにされるせいか緊迫感が薄くて途中で飽き気味。この脚本ではこれ以上作りようがないとは思うが、なんでこんなに緊迫感がないんだろうと思わなくもない。主演のジェイミー・アレクサンダーは最初から最後まで美しく、夫に不満を持つだけ…という役柄では物足りなく感じた。クセがありそうな登場人物に全くクセがないのが本作の敗因なのか…と思ったりもする。

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2014-01-24

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あなたを抱きしめる日まで/スティーヴン・フリアーズ監督

14歳の時に修道院で出産したフィロミナ、その息子アンソニーは幼い頃に養子に貰われ行方知れずだった、50年が経ちフェロミナは息子に会いたいと思い立ち偶然知り合ったジャーナリストのマーティンと共にアンソニーの行方を探すのだが…という感じで始まる物語。最初に事実に着想を得た作品…という表記があるので、こういう話があったのか…という意味では興味深く観ることができた。フェロミナが若い頃と今とでは罪の基準や感覚や母子に対する援助制度が違うのだろうが、それを考えても色々と残酷な物語。特に元凶のシスターの在り方は特徴的な描かれ方をしていて、このシスターに制度や思考の拙い点を全て表現させたのだろうなと思うクソシスターっぷりが面白かった。…とはいえ、映画として楽しかったかといえばそこまででもなく、途中で集中力を欠いてしまった。そういう意味でもドラマチックな作りではなく淡々と話が進む所が良いのか悪いのか。合わない人には合わない作品なのだろうと思う。

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2014-10-02

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スノーホワイト 氷の王国/セドリック・ニコラス=トロイアン監督

ラヴェンナの妹フレイヤは愛する者の裏切りによって心を閉ざし氷を操る魔法を手に入れる、北方に自分の王国を築き各地から集めた子供を戦闘員として育てていた、その中でエリックとサラは優秀な戦士に成長し互いに惹かれ合う、一方ラヴェンナに勝利したスノーホワイトは鏡に宿るラヴェンナの魂に悩まされ…という感じの物語。信じられない思いで最後まで我慢したが、なんとこのシリーズは二作とも駄作であった…。前作の感想でも書いたけど、本シリーズの主役はラヴェンナであるべきなのに、何故かどうでもいい周囲にスポットが当たる。フレイヤはまだしもエリックとサラは(配役的には主役級だが)キャラ的にはサブもサブではないか…。白雪姫で一兵士達のラブコメが見たいわけではないのだ…。その分シャーリーズ・セロンのラヴェンナが登場すると圧倒的な存在感で良くも悪くも一人勝ち状態になる。ラヴェンナのフレイヤへの葛藤や孤独や邪心を描いて、潔くヴィランズ映画にすれば良かったのに…。良い俳優がどれだけ大勢出ていても宝の持ち腐れでは仕方ない。

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2017-04-21

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WOOD JOB!神去なあなあ日常/矢口史靖監督

志望大学に落ちた高校三年生の勇気は偶々目についたパンフレットの女性が気になり林業研修プログラムに参加することを決める、当初は研修や実習先の村から逃げることばかりを考えていた勇気だったが次第に林業の魅力に気づき…という感じの話。日本の林業については全然知らない世界なので、その一端を垣間見ることができたという点では面白かった。勇気は林業に適性があったし上手く村に馴染めたようだけれど、実際のラクではなさそうな労働条件や生活環境は窺えたし、良い事も悪い事も沢山あるのではないかと推測できた。それを含めて日本の林業なのだろう。最後の大山祇祭も全く馴染みがない世界。少々コミカルに描いていたけれど、祭ならではの高揚感とか特別感は感じられた。にしても、岐阜県恵那市の明知鉄道は見覚えがあったな。昔好きだった映画に出てた鉄道と一緒かな。

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2014-11-19

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盗聴者/トマス・クライトフ監督

アルコール依存と不眠を患い保険会社を辞めたデュバル、2年後、職業斡旋所からの紹介でクレマンという男と面会し仕事を得る、それはアパートの一室で盗聴されたテープの文字起こしをするというものだった、テープの内容を知るうちにデュバルは…という感じの物語。何も分かっていないただのおっさん主人公であるデュバル視点で物語が進むので、当然のように話が全然分からない。簡単にいえば国家運営を担う二つの組織の板挟みになるおっさんの話なんだけど、なんでただのおっさんが国家機密に関わることができるのか。本来なら最後の競技場の場面にすらいないはずじゃないのかと思うんだけど。なので、映像上では緊迫感があるんだけど、観てる側からすると何がなんやら…という感じで全く緊張も同情もない。盗聴内容に絡むサスペンス調の作品だと思ったのに…。残念。

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新・極道の妻たち 惚れたら地獄/降旗康男監督

関西を拠点にする御蔵組を病気の組長に代わって仕切る妻の村木芙由、夫の組長が復帰を果たし球場跡地に関する巨大プロジェクトに噛もうと最終的な会合に向かう際、何者かの襲撃を受けて組長は銃弾に倒れ芙由も負傷してしまう、夫の跡を継いで組を絶やさないよう努める芙由だが…という感じの物語。組長が早々に退場してしまったので実質的に…というか最初から最後まで組を仕切る志麻姐さん。でも荒くれ者で分からず屋な面々を従わせるのは有能な志麻姐さんでも難しく、紆余曲折あって極妻流転物語の様相を呈するところなんかは仲々面白い。諸行無常。途中の「お撃ち」もおかしかったが、法衣を脱ぎ捨ててマシンガン乱れ撃ちする姐さんは何でもあり感があって楽しい。こういう弱小組織で巨大組織に簡単に潰されてしまった組もあったのだろうかね。シリーズ7作目を観て、既に極妻を連ドラ扱いしている感もあるが、バリエーション的にはこういう回があってもいい…という感じ。前作でかたせ梨乃は引退したようで、ヌギヌギ要員として川島なお美が参戦していた。いい脱ぎっぷり。それと手下妻の海野圭子が可愛かった。

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シークレット・デイ/エイミー・バーグ監督

11歳のロニーとアリスは子供を誘拐した罪で捕まり少年院で7年間を過ごす、彼女達が出院した数週間後、家具屋を訪れていた少女がいなくなる、事件を捜査していた刑事のナンシーはロニーとアリスが事件に関わっているのではないかと思い、彼女らを訪ねるのだが…という感じの物語。少女が幼女を誘拐してその幼女は亡くなり二人の間には何が?という視点と、少女が失踪し元犯罪者の少女達がどう関わるのか…という二つの視点があったので、最後まで飽きずに観ることができた。アリスにはそんな事があったのか…というのは後出しジャンケン的で、その点はサスペンスとして良いのか悪いのかと思う。でも一方でアリスと母の見えない確執的なものから生まれる負の何かのようなもの…はヒシヒシと感じられたので、本作が描きたいことは何となく伝わったような気がしなくもなくもない。派手な物語も出演者も演出もないのに、地味にきちんと纏まっていた作品だと思う(故に映画というよりはテレビドラマとして楽しみたいタイプの作品だが)。

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2015

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本能寺ホテル/ 鈴木雅之監督

流されるまま結婚を決めた繭子は婚約相手の親に会う為に京都へやってくる、予約トラブルで急遽宿泊することになった本能寺ホテルでエレベーターに乗ると見知らぬ寺へ着いてしまった、そこは戦国時代に織田信長が逗留していた本能寺で…という感じで始まる物語。ホテル内部やロケ地の寺が絵的にとても綺麗で、ロケ地の選定が上手いのだろうなーと思っていたら、オフィシャルなロケ地情報まで出ていた。それから自分の死を知らされてもなぜか達観している堤真一の織田信長も良かった。…が、それだけ…という印象。優柔不断で自分を持たない女性が織田信長の大望を知ることによって心持ちを変える。たったそれだけの話になんで120分も掛かるのか。主人公は都合良く過去現在を行き来するし、彼女だけがそう出来る理由のようなものはあったのだろうか。深く考える必要はないのだろうが、お粗末な設定だし意味もない。繭子が変わるだけの話であれば、戦国時代に行く必要だってないよな…と思ってしまったもの。

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ポニーキャニオン
2017-08-02

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her 世界でひとつの彼女/スパイク・ジョーンズ監督

近未来のロサンゼルスに暮らすセオドアは別居する妻キャサリンとの離婚協議に前向きになれず沈んだ日々を送っていた、そんな中、興味本位で手に入れた新製品のOSサマンサと会話を続けているうちに彼女に魅了され恋心を抱いていくのだが…という感じの物語。な、長い…。物語の情報量に対して、それを描く時間が長過ぎるように思えた。丁寧に作られているといえば良いのだが最後の辺りでは少々飽きてしまった。恋愛対象が人工物の(だけど自己成長もできる)OSで、弱った心の主人公がそれに魅了されていってしまうのは至極当然。途中からは何でもないただの恋愛映画としか見られなくなってしまった。ただ、この世界が良いのは恋愛対象がOSと聞いても周囲は大体受け入れるし(という意味ではキャサリンは特殊なのか?)、OSとデートする人を見ても周囲の人間は怪訝な顔をしないというところか。誰を好きになろうと自由で勝手だという風潮は大変良い。もし本作で描かれた大凡の要素を30分前後の短編作品として観ることができたら(作ることができたら)、きっと名作であっただろうな…と無い物ねだりをしてしまう。

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ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2015-07-08

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吉良ですが、なにか?/ラサール石井演出

松の廊下で浅野内匠頭に斬りつけられた吉良上野介は病院に運ばれる、そこへ父を心配して集った長女、次女、三女、長男…と次女と三女の配偶者の家族達、そして吉良の愛人であるシマが現れたことで…という感じの物語。観終わった瞬間、ええ?これで終わり?と思ってしまう短さ。チケット代7,500円に対して実質上映時間は1時間強か。その後、舞台挨拶で少し時間を稼いでいたが(WOWOWの放送では伊東×ラサール石井の対談も付けて)、もしも折角観に行った芝居がこの短さだったらかなりツラく感じたかも知れない。つまり物足りない芝居。家族それぞれの事情や父の愛人への戸惑いなんかは上手く表現されていて、笑ってしまう箇所も幾つかあったんだけど、まぁそれだけというか。夢オチなのか時空超越なのかという設定もあるのだけれど、それって意味があったのかな。当初は時代劇設定だったが、井上ひさしの劇と内容が被るということで急遽現代劇設定になったとか。そういう事情はどうでもいいけど、もう少しでも捻りや内容のある話だったら良かった。

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ポニーキャニオン
2015-06-03

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十月十日の進化論/市井昌秀監督

幼い頃から昆虫に夢中だった鈴は昆虫分類学の博士号を得るも研究職の契約を終了されてしまう、そんな折、偶然出会った昔の恋人の武と関係を持ち妊娠をする、虫展示館で補助員の職を得るも元々人付き合いが苦手で新しい環境に上手く馴染めないのだが…という感じの物語。進化論というくらいだから主人公の鈴(と周囲)の成長物語。成長するだけあって元々の鈴は自分勝手で攻撃的で隣にいたら苦手だと思いそうなタイプ。それが妊娠を機に少しずつ変化していくという感じなんだど、昆虫イベントの辺りから一気に変化し過ぎではないか。もしかしたら見落としたエピソードがあったかな。最後は全て丸く収まって良かったねーとなりがちなんだけど、はて、彼女や周囲を変えたものは何だったのだろうか。でんでん、りりィの両親コンビは実直で不器用な感じがして、最後は良い変化だったように思えた。

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2015-10-28

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グランド・ブダペスト・ホテル/ウェス・アンダーソン監督

1932年のグランドブダペストホテル、コンシェルジュのグスタヴ・Hは才能と人間的な魅力で多くの女性を得意客としてきた、戦乱から逃れベルボーイとして働くゼロはグスタフの下に付き様々な教えを学んでいた、ある日グスタフと親しいマダムDという年輩女性が亡くなりグスタフは急いで彼女の家へ赴くのだが…という感じで始まる物語。ホテルに集う客達の悲哀を描いた作品かと思ってたら中味はコメディ作品であった。美しい装置や風景や建物や衣装等によって非常に絵的に完成された映像。またブラックユーモア的な内容とスピーディな展開で最後まで目が離せないような印象だった。…が、途中で何となく飽きを感じてしまったのはなぜだろう。グスタヴが追われる身となって、落としどころがよく分からなくなってしまったからか。最後まで見れば、あぁゼロが語っている話なのだから…と納得がいくのだが、回顧話の中心はグスタヴなので視点が散けてしまったせいかも知れない。それと、マダムDの家のメイド役クロチルドでレア・セドゥが出てるのね。アデルの時はなぜか思わなかったけど大変可愛らしくてよく目立つ。他の作品でも見てみたい人。

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2015-07-03

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クロノス/ギレルモ・デル・トロ監督

古物商を営むヘススは不審な客が見ていた天使の彫像の中から昆虫型の謎の機械を見つける、機械を弄っていたヘススは機械から繰り出された針に刺されてしまい身体に異変が起きる、一方ヘススの店を訪れたアンヘルは機械が入っていた天使の彫像を購入するのだが…という感じの物語。92分と短い物語。永遠の命を得たい者と得なくてもいいと思う者が対比される。夫々の側には身近な家族がいて彼らが物語に良い味を付けていた。ヘススの孫娘アウロラは殆ど喋らないにも関わらず全力でヘススを助ける。健気なアウロラは本当に可愛らしい。クラウディオの甥アンヘル(ロン・パールマン)は大振りな風貌に似合わず従属的でメキシコの家族感が何となく見え隠れする。そんな家族像を見ていると、暴力&顔面皮剝ぎ等のグロテスクなシーンすら微笑ましいような気がしてしまう(気のせい)。本作はギレルモ・デル・トロ監督の初めての長編作品とのこと。故にデビルスバックボーン、パンズラビリンス、シェイプオブウォーターの系統作品の一番根っこにあるような物語だった。クロノスから様々なかたちで発展を遂げてそれぞれの名作が生まれたのであれば感慨深い。

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2016-07-06
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キングスマン:ゴールデン・サークル/マシュー・ヴォーン監督

キングスマンとなったエグジーは元キングスマン候補生で麻薬組織ゴールデンサークルに属するチャーリーからの襲撃を受ける、ゴールデンサークルを仕切るポピーは名声を得たいが為に麻薬を使ったある計画を立てていた、そしてその計画に邪魔とされたキングスマン達を一掃しようと…という感じの物語。死んだはずのハリーが生きていてエグジーと共に敵に対する、そして英国紳士達がキレッキレのアクションで敵を薙ぎ倒していく…という点については楽しかった。でも純粋に楽しみ切れなかった感もある。キングスマンが英国を飛び出して米国で大暴れするのはグローバル感があって悪くない。でも前作で築いたキャラの良さを活かせていないような場面があって時々首を捻ってしまった。ロキシー(JB)は瞬殺されチャーリーが復活、ハリーは生きていたがマーリンは…という感じでキャラを軽く扱い過ぎ。またステイツマンに軽く去なされるキングスマン、ポピーによって簡単に壊滅させられるキングスマン…等々。何でもありはいいけれど、紳士組織キングスマンには一貫性を持たせて欲しかった。そしてどうせ復活させるなら、ヴァレンタインもガゼルも復活させてやってくれ。

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シキ

Author:シキ
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[6]は観るべき所がある
[5]は可もあり不可もあり
[4]以下は詰まらない

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